別れの時1

「私、山本は40歳を目前にし、5年間付き合っていた彼氏にLINEひとつで別れを告げられました。」



それは3ヶ月前。


あまりに突然で、

これが現実なのだと理解するのに1週間くらいかかった。


受け入れたくないというか、

考えたくないというか、

こうして文字にしたり口に出すことなんて

とてもじゃないけど出来なかった。


頭で考えたり、言葉にすると

涙が出てしまう。

涙が出たら止まらなくなってしまう。


壊れてしまう。


だから

いつも通りに起きて

仕事に行って、

昼休みには同僚とランチして

笑って、

帰ってお風呂に入って

ビール飲んで


ビール飲んで


ビール飲んで


飲んで飲んで

飲んで飲んで飲んで

飲んで飲んで飲んで飲んで


毎晩酔いつぶれて寝た。


悪い夢を見ないように、

限界を超えるまで

1人で飲んだ。


これまで家にいるより、

行きつけのお店や気のおけない仲間と

お酒を飲みお喋りすることが好きだった私が、

まっすぐに帰宅して1人で飲む。


現実を受け入れられないながらも

どこかでちゃんとわかってた。


行きつけのお店にも、

飲み友達との間にも、

元彼の存在が大きくて


そこにはもう私の居場所はないってこと。