男女の友情〜ケイシ編

私には幼馴染みの男友達が数人いる。


幼い頃から同じ土地で暮らしているから

そういう者同士、

腐れ縁というほどでもなく

なんとなくつかず離れずいる感じだ。


その中でも

幼い頃から一番よく遊んだのがケイシ。

未だ独身。


自分のことを棚にあげてナンだけど

ケイシは結婚出来ないだろうな

と思う。


ルックスは悪くない、

学歴も二流ではあるけど大卒、

収入もまあ普通。


ただ、優しすぎるのだ。


昔から困ったことがあるといつも助けてくれた。


小学校時代は私が親に買ってもらえないようなお菓子をくれたし、

中学校時代はケイシの家にみんなでよく集まった。

ケイシに会う為というより

仲間が集まる場所を提供してもらっていた。


申し訳ない。


高校から大学を卒業するまでは

少し距離が出来て

会わなくなったけど、

就職してからまた

ストレスがたまると呼び出して呑みに行った。


だから今回も

私が連絡をしたら

「また何かあった?」

とすぐに察して

私の家に来てくれた。


うんうん、といつもの様に聞いてくれる。


ケイシは

「男ってなかなか自分から別れを切り出さないものだから余程の事情だろうね。

山本に心当たりがないなら相手側のね。

それを伝えないで逃げるように別れるのは思いやりに欠けるし未成熟な人間だね。

悔しいけどそういう人だったって割り切るしかないね。

年齢的に厳しいけどお互いがんばろうぜ!」

と。


厳しくも的確な分析。


そうか。


元彼は心底私が嫌いになったのかもしれない。


もしくは

元彼自身が抱えている地雷を

私が無意識に掘り起こして

嫌われたのかもしれない。


辛い。


わからないから余計に。


でも、

ただただ優しいだけのケイシが

大人の男になっていたことに

びっくりした。


年はもう立派なオジさんだから当たり前か。


私が知らなかっただけで

色々経験積んでたのかな。


この失恋で

初めてケイシが男だって

認識した。