女の友情〜カヨ編

翌週、以前一緒に働いていたカヨ(バツイチ独身子なし)を誘って飲みに行った。


カヨは25歳で結婚し

結婚生活10年で離婚した。


離婚の理由は元旦那さんの浮気。


もう二度と男は信用しない。

結婚はしないと宣言している。


そうは言っても

カヨはとても美人さんで、

明るくて、賢い。


当然モテる。


時々暴走してとんでもないことをするけど

まっすぐで

そこもチャーミングに見える。


こんなカヨですら裏切っちゃうの?

と思うと

男ってやつは本当に動物的感覚だけで生きてるんだな

って愕然とする。


カヨ曰く

私は男をダメにする「ダメンズウォーカー」なのだと。


私は好きになると一途だ。


全て許してしまう。


すると男は

本当に好き勝手しまくる。


わがままくらいがちょうどいい

らしい。


カヨも元夫さんの時は

尽くすタイプだったそう。


思うようにいかない

なんとかしよう

と思われ続ける女でいること。


カヨは

それが女の幸せな生き方だと悟ったらしい。


でも、

私はわがままを言ったら捨てられるレベルの人間だから。


カヨは

「あの自己愛の固まりの彼といたからそう思う様になっただけ」

と言う。


とっくに賞味期限切れの自分。


カヨみたいな美貌も賢さもない。


どう生きていけばいいのかわからなかった。

女の友情〜ナナちゃん編

元彼に振られて1週間経ち

ようやく通勤以外の行動をしようという気になった。


何もしなければ何も変わらない。


私は高校時代の同級生ナナちゃん(既婚、子16歳男子)に連絡をした。


失恋の報告に驚き、

ランチでもしながらゆっくり話そう!

とすぐに私の自宅近くのカフェに来てくれた。


ナナちゃんは20代で結婚出産をしていて

優しそうな旦那様と

賢い男の子がいて

10年くらい前に戸建てを購入。


今は週3日のパートをしている。


順調な人生だなって思う。


羨ましい。


でもナナちゃんイイコだし

そりゃそうだよなって

納得もする。


私は何がだめなのかな。



ナナちゃんは元彼の不誠実さに憤慨し、

さっさと忘れて幸せになって

後悔させてやろう!!

と言ってくれた。


何したらいいのかな。


とりあえず

ナナちゃんの知り合いで紹介出来そうな男性がいたら声を掛けてくれるらしい。


あと、

行き詰まったらまたランチ行こうね

って。


ありがたい。

劣等感

元彼を見返したい。


悲しさや寂しさより

憎しみでいっぱいになった。

そうすることで傷が癒えた気がしていた。



あの男は、自信過剰?と思われる発言が多かった。


確かに

素敵なレストランを予約してくれたり

サプライズプレゼントをくれたり

5年間に何回ありがとうって言ったかな。


周りからも羨ましがられていたし、

こんなにも大切にされている自分は幸せだと思っていた。


でも、別れのセリフの

「疲れる」

で、本当は無理していたんじゃないかと思えてきた。


確かに収入は平均以上だけれど

ものすごいお金持ちではない。


何より実家はかなりの貧乏だったらしく

子どもの頃はお風呂も車もなかったらしい。


そういう劣等感からか

彼は友達に対しても等身大より大きく自分を見せたがるところがあった。


素敵なレストランもプレゼントも

嬉しかったけど

私から求めたわけではなかったのに。


そんなもののせいで勝手に疲れて離れていくならいらなかったのに。


元彼は私にだけでなく、

私が「彼がこんなことしてくれた」と話すであろう

共通の友達の評価を気にしていたんだろうな

と今では思う。


元彼がしてくれたことは

私への愛の深さからではなかった。


私の5年間が全て虚しくなった。

悔しかった。

傷つく自分すら悔しかった。